水に溶けても、電流とは別
食塩と砂糖はどちらも水に溶けます。しかし同じ装置で調べると、食塩水は電流を流し、砂糖水は流しにくい性質を示します。水に溶けたとき電流が流れる物質は電解質、流れない物質は非電解質です。
溶ける ≠ 電離する

STAGE 01 / CHEMISTRY / 中3
電流が流れる理由を、実験とイオンからつかむ。
KEY POINTS
溶けることと電離することを分け、実験の条件と粒子の動きをつなごう。
食塩と砂糖はどちらも水に溶けます。しかし同じ装置で調べると、食塩水は電流を流し、砂糖水は流しにくい性質を示します。水に溶けたとき電流が流れる物質は電解質、流れない物質は非電解質です。
溶ける ≠ 電離する
前の液が電極に残ると、次の液に電解質が混ざることがあります。電極を洗い、電圧や電極の間隔などをそろえます。電流の大きさだけで溶質の性質を決めず、濃度などの条件も確かめます。
違いの原因を、一つずつ確かめる
学校の実験で10%の塩化銅水溶液に炭素電極を入れ、3〜6Vで電流を流すと、陰極には銅、陽極には塩素が生じます。電源の−極につなぐのが陰極、+極につなぐのが陽極です。
陰極に銅 / 陽極に塩素
電極の接続を逆にすると、銅が新たに生じる側も変わります。位置が左か右かではなく、どちらが電源の−極につながっているかを見ます。電極ごとの生成物の違いは、電気を帯びた粒子を考える手がかりです。
接続 → 極性 → 生成物
原子は原子核と、その周りの電子からなります。原子核をつくる陽子は正の電気、中性子は電気を帯びず、電子は負の電気を持ちます。電気を帯びていない原子では陽子数と電子数が等しく、電気の量がつり合います。
原子核:陽子と中性子 / 周り:電子
原子が電子を失うと陽イオン、受け取ると陰イオンになります。負の電気が減ると正、増えると負になります。このイオン生成で、原子核の陽子数が変わるわけではありません。
失う → + / 受け取る → −
Mg²+の右上の2+はイオン全体の電気を示します。2Cl−の前の2はイオン2個、Cl₂の右下の2は分子内の原子2個です。多原子イオンでも、右上の電気はまとまり全体について表します。
前:粒子数 / 右下:原子数 / 右上:電気
食塩は水に溶けるとNa+とCl−に分かれます。このように電解質が陽イオンと陰イオンに分かれることを電離といいます。電圧をかける前からイオンは存在します。砂糖やエタノールは水に溶けても電離しません。
電離と電気分解を混同しない
電解質の水溶液ではイオンの移動が電流に関係します。金属の導線の中では電子の移動を考えるので、液中を同じように電子だけが移動すると説明しません。Na+とCl−を含む食塩水は、全体では正負の電気がつり合います。
粒子の電気と液全体の電気は別
同じ元素の原子でも、中性子数が異なるものがあります。それらを同位体といいます。元素の種類を決める陽子数は同じです。イオンの電子数の違いとは分けて考えます。
同じ陽子数 / 異なる中性子数
EXPERIMENT TO PARTICLES
水溶液の種類、電極、電圧などを確認してから、観察結果を説明しよう。
水溶液・電極材・電源の正負を確かめる。
電流が流れたか、各電極に何ができたかを分ける。
陽イオンと陰イオン、原子の電気をつなぐ。
左右と正負、電離と電気分解を取り違えない。
WATCH OUT
水に溶けて透明になっても、イオンに分かれたとは限りません。砂糖水はその例です。
電子は負の電気を持ちます。陽イオンができるのは、電子を失ったときです。
Cl−は陰イオン、Cl₂は塩素分子。符号と右下の数字を読み分けます。
うすい塩酸の電気分解では、塩素は水に溶けやすく、水上に集まる量は減ります。生成した量と回収量を分けます。
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